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汚れた街の片隅で
タバコを咥えながら真っ直ぐな瞳を輝かす
人ごみの中から見つけた時
僕はまだ子供だった 他人を睨みながら
目に焼き付いたあの日を
忘れたことはなかったけれど
どうせ僕なんてと思ってた
フラフラしているそんな彼が
こんな僕に優しさを分けてくれた
心配をかけるのが得意みたいだ
クラクラしているそんな僕が
なんだか悲しそうに歌う姿に
涙を流した17の冬
汚れた世界の真ん中で
歌を歌いながら真っ直ぐな瞳を輝かす
人ごみの中から見つけた時
僕はまだ子供だった 慍りに慰められながら
一言目から美しい彼に
夢で会うことを夢見ながら
僕は夢見心地で歌う
散々涙を流したあとに
光が漏れた8畳の部屋で
空飛ぶんだ月にタッチするなんてわけないよ
なかなか話出せない僕は
あなたの声が聴きたくて
出来もしない会話を始めた

庄司優果

庄司優果

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